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「学校の宿題を早く終わらせて、充実した夏休みを送ろう」って本当に充実してるんでしょうか?
某、進学塾の広告キャッチフレーズです。
「学校の宿題を早く終わらせて、充実した夏休みを送ろう」だそうです。
早く終わらせるために、2日間授業を無料で準備しましたので、お越しください!ということです。
皆さん、これに、違和感を覚えませんでしょうか?
論理的思考力のトレーニングにはもってこいのキャッチフレーズですね。
え!?っと思ったあなた。
論理的思考力を鍛えるために、一緒に考えてみましょう。
この塾は、「学校の宿題を早く終わらせる→充実した夏休みになる」といっているわけです。
これ裏にしてみてください。
「学校の宿題を早く終わらない→大したことのない夏休みになる(充実した夏休みにはならない)」
となります。
さらに、この前提を考えてみましょう。
なぜ、学校の宿題を早く終わらせなければならないのでしょうか?
このキャッチコピーに含まれる意味として、考えられるのは
・学校の宿題は、ムダである
・学校の宿題よりも、役にたつことがある
ということではないでしょうか?
早く終わらせると充実しているということですから、いつまでも学校の宿題などという
つまらないものをやっていては、充実した休みになりませんよ!と言っていると読み取れます。
なぜ、学校の宿題が残っていると、充実していないのでしょうか?
まったく謎です。
もちろん、本来夏休みというのは、学校では暑くて集中できない、お盆休みは、家族等の文化的な面も
経験する等の意味があって、長期休暇になっているそうです。
東京都内の小中学校は、各教室には、冷房が完備されているという、とてつもなく恵まれた環境ですから、
かつてのような理由(暑くて集中できない)で長期休暇をとる必要はないわけです。
話が逸れましたが、長い休み期間中に課されるものは、学校の中で学習・定着してほしい内容や
長い期間だからこそできることがあると思われて、先生方は課題を出しているわけです。
それに対して、「ムダ」と解することができるような表現で、生徒募集の企画をうつのはいかがなもんかなと
思います。
学校の授業をムダだと考えているならば、体育や音楽や美術・家庭科なども、塾で授業してもらわなきゃダメですね。
個人的には、学校の宿題を通じて、最も養われるべきは、
「主体性」だと思っています。
もちろん、1学期内容や前学年内容の定着という面もあります。
しかし、実質的には、宿題を実施した後に、自分たちで丸付けを行うことが多いため、
答えを写すだけになってしまう子も中にはいます。
一方、解答が渡されず、夏休み以後に提出するケースもあります。
その場合、自分のやったところが、合っているのか?それとも間違っているのか?
ということを、確認することができません。
仮に、問題がすべて合っているのであれば、問題がありません。
しかし、定着していないと思われる単元があるからこそ、課題が課されているわけです。
つまりは、間違えているものが必ず存在するということです。
もし、解答を夏休み後にもらって、丸付けをしたとしても、その効果はいかほどなのでしょうか?
仮に、7月中に早めに終わらせた子で言えば、1ヶ月以上後になって、答え合わせをする
ということになります。