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この時期にありがちな大手塾・個別塾の思惑

1、生徒数が一気に減る時期

一般的にこの時期は、生徒数の変動が大きい時期です。
中学受験をしていた小6の生徒は受験が終われば、その多くが辞めていきます。
家庭側からすれば、「お世話になりました!」という気持ちだとは思いますが、経営する側からすれば、継続して通ってほしいというのがそのホンネ。

また、最もボリュームゾーンである、中3の高校受験生も、その多くが
「本当にお世話になりました」という言葉とともに、塾を去っていきます。
「卒塾」という形にはなり、教える側としての心持ちとしては快く送り出したいのですが、経営する人の多くが、生徒数のことが頭をよぎります。

つまり塾側が置かれている立場としては、
「生徒数が一気に減ってしまい、大変だ!少しでも元の(2月前後の)在籍数へと戻さなければならない!」という状況です。

これは現実としては、どこも同じだとは思います。
それはそれで、現実として経営する側は正面から受け止めなければなりません。

しかし、この状況をどう捉えるかは、塾側のスタンスで分かれるように思います。

どうしても、数字先行になると、個々の生徒の状況把握やその伝達がおろそかになります。塾の規模が大きくなればなるほど、教室毎の数値目標が厳格に定められているからです。決して成績アップ率で評価をされることはありません

塾の社員は、会社でいえば「営業」という仕事をとってくる立場です。
営業で言えば、数値目標を達成したか否かが最も重要です。

これが、塾等の教育業界以外の営業マンであれば、それは先行していいかもしれません。

しかし、体験に連れて行った塾、目の前で話しているその相手が、営業成績のことばかりを考えていたら、どうでしょうか?

「ホンネで言えば、あまり気分は良くないでしょうが、それでも結果が出ればいい」

といったところではないでしょうか?

もちろん、きちんと結果が出ればいいと思います。
しかし、営業色が強くなれば、個々の生徒の状況把握や担当講師へのその情報伝達はおろそかになりがちは否めません。そう言える理由が、次です。

2、講師の変動も最も多い時期

さらに実情を明かしてしまうと、3月・4月は講師側も、退職が多い時期なのです。
学生が多い業界ですから、仕方がないのですが、今担当している講師がそのまま同じように担当できるかどうかは、正直言ってわかりません。

学生講師(多くは大学生)が履修が確定するのは、4月中頃であるためです。
となると、実際に指導にあたるほとんどが、学生であることからすると、非常に不安定な時期です。

仮に、現在3年〜4年やっているキャリアを積んだ講師に、入塾時や体験時の情報を社員が伝達をしても、その講師が、次の講師へその情報がきちんと伝えられるかはわかりません。

となると、生徒に十分な指導が。。。

となる可能性をはらんでいるわけです。

3、社員の査定前

大手塾の場合、4月と9月頃の生徒数が、1つの査定の基準となるようです。
つまり、春期講習、夏期講習の後ということです。

夏期講習終わりは9月頃ですので、生徒があまり減るということはありません。
そのため、春程の営業色は強くはないと思います。

4月というのは、年間の数値目標を決めると言えるほど、増減がありますので、社員としては、指導<営業になりやすい時期です。

かくいう私も、まだまだ未熟であるため、そうしたことが頭をよぎることは否定できません。

しかし、それを決して先行させることはありません。
なぜなら、「生徒の親御さんにとっては、全くそんなこと関係ないから」です。

以前、私が勤めていた大手塾の責任者から教わった大切な言葉、
それは、
「教育費は家計の中で、特別なもの。親はくさい飯を食ってでも、子供には良い教育をうけさせるもの。だから、親の気持ちで接してあげなきゃダメ」
(言葉は正確ではありませんが、こんなニュアンスのことを教わりました)

これがとても私の中で、とても大切な言葉、イズムとして残っています。

理想と現実を、きちんとバランスをとることができている塾、それを探すことは容易ではありません。

そして、大手塾でいっても、校舎によって、その色は全く異なります。

イメージ先行で動かないというのが大切だと思います。

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