塾長インタビュー

なぜ、ゲームで
学ばせるのか。

続けられる子は、意志が強いのではありません。

ラボ寺子屋 塾長 小泉 正太(指導歴 約20年/2013年 開塾)

「勉強をゲームに変える」と聞くと、反応はふたつに分かれます。「面白そう」と、「それでいいのか」。

ラボ寺子屋の小学生コースには、学習クエストという仕組みがあります。自習を積み重ねるとスタンプが貯まり、メダルになり、土曜日にガチャを回せる。字面だけを見れば、遊びのように見える仕組みです。

なぜ、こうしているのか。塾長の小泉正太に聞きました。

Q. 「勉強はゲームではない」というご意見もあります。

はい。よく言われます。そして、そのとおりだと思う部分もあります。勉強はゲームではありません。

ただ、この仕組みは、私の思いつきではないんです。

先輩の塾長。先に結果を出してきた経営者。そして、飛躍的に伸びた塾と、飛躍的に伸びた子どもたち。何年もかけて、直接お話をうかがってきました。ラジオでの対談も含めてです。

うかがいたかったのは、うまくいった方法そのものではありません。「なぜ、それがうまくいったのか」のほうです。

そこで、繰り返し出てきた結論がひとつありました。

小学生の時期は、遊び心が少しあって、自分のちょっとしたごほうびが手に入ること。それが、日常のテストや体験や、頑張りの「踏ん張り」に、大きく作用する。

言い方は、それぞれ違いました。それでも、行き着く先が同じでした。立場も地域も違う方々から同じ話が出てくるなら、それはもう個人の好みではありません。

点数のためにやらせるのではありません。踏ん張れる回数を増やすために、遊び心を残しておく。教室で子どもたちを見ていると、これは本当にそのとおりだと感じます。

Q. 具体的には、どんな仕組みなのでしょうか。

「学習クエスト」と呼んでいます。

自習に来て、1時間集中して取り組み、その日の成果を報告する。これでスタンプが1個。スタンプが5個貯まると、メダルが1枚。そして、メダル1枚で、土曜日のガチャを1回まわせます。

小学生には、テストからの入口も用意しています。単元テストの一発合格(90点以上・初回のみ)で3枚。学校のカラーテストで100点を取って、答案を持ってきてくれたら3枚です。

大事なのは、これが画面の中の話ではないことです。メダルは実物で、手のひらに乗ります。ガチャも本物で、実際に自分の手でまわします。

メダルの入口は、4つあります。コツコツと自習を続ける。本番のテストで結果を出す。長く通い続ける。仲間と協力して目標を達成する。

努力・結果・継続・仲間。入口を4つにしているのは、報われる子を一種類にしたくないからです。コツコツが得意な子も、本番に強い子も、必ずどこかで報われる。そういう形にしています。

Q. なぜ「その場で」「実物で」にこだわるのですか。

人の行動が変わる条件は、ある程度わかっています。研究があります。私たちは、それを教室の運用に落としているだけです。

ひとつめ。ごほうびは、行動の直後に置く。合格したその場で手渡します。「来月まとめて」では、行動は変わりません。

ふたつめ。目標を、近くに置く。人は、遠い先の大きな利益より、目の前の小さな利益を選びます。大人でもそうです。「受験のために」では、小学生の足は動きません。だから、今週の土曜という近い目標にしています。

みっつめ。やっている人の中に、置く。まわりがやっていれば、自分もやります。学年ごとに通う曜日と時間を揃えているのは、そのためです。

実物にこだわるのは、手ざわりがあるからです。画面の中の数字は、増えても減っても手ごたえが残りません。メダルには重さがあります。ポケットに入れて持って帰れます。「今日、自分は1時間やった」が、形になって手元に残るんです。

Q. それでも、ごほうびで釣っている、という見方はできませんか。

入口は、そうです。否定しません。

ただ、私たちが見ているのは、その先です。

はじめは「今週のごほうび」で動いていた子が、しばらくすると変わってきます。欲しいものが決まると、そこから逆算するようになるんです。今週これをやれば、そこまで届く。今週なにをするかを、自分で決めはじめます。

私たちはこれを「遅延報酬への耐性」と呼んでいます。目先ではなく、少し先を見て、いま踏ん張れる力のことです。

順番は、逆にはできません。いきなり「自分で考えて計画を立てなさい」と言っても、小学生には手がかりがない。だから、欲しいものという、いちばん分かりやすい手がかりから始めます。

もうひとつ。私は、続くかどうかを意志の強さの問題にしたくないんです。「続かないのは、うちの子の性格だから」とおっしゃる保護者の方は、とても多い。でも、続いている子は、意志が強いのではありません。続く仕組みの中にいるだけです。そして仕組みは、こちらで用意できます。

楽しさで釣っているのではなく、楽しさを入口にしている。出口は、自分で自分を動かせる状態です。

Q. この仕組みは、10年後にどうつながるのですか。

ラボ寺子屋は、小学生から高校生までを一本で見ています。

中学に上がると、学習の量も難しさもグッと上がります。定期テストと内申点が始まります。高校生になれば、学校の評定が進路の武器になります。そこで効いてくるのは、知識の量よりも「やると決めたことを、やり切った回数」だと思っています。

小学生のうちに、その回数を稼いでおきたい。楽しい入口を用意しているのは、そのためです。

私たちは「街の教育のかかりつけ医」でありたいと言っています。学年が変わるたびに塾を替えて、一から説明し直すのではなく、記録も、見立ても、そのまま次の学年へ引き継ぐ。長くお付き合いする前提で設計しています。

そして、私たちの成果指標は、10年後にあります。

分からないことを、人に相談できる。自分の考えを持っている。危ないと気づいたら、報告できる。どれもテストの点数には出ません。それでも、社会に出て自分の足で立つために必要なものは、こちらだと思っています。

「遊ぶように学び、生きる力を獲得する」。これは、2026年度の教育システムに私たちがつけたテーマです。遊ぶように学ぶことは、目的ではなく方法です。目的は、その先の「生きる力」のほうにあります。

小学生コースの内容・講座の一覧・料金の目安は、小学生のページにまとめています。

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※学習の成果には個人差があります。
※獲得条件・ごほうびの内容は、年度・コースにより変わることがあります。