コラム

高校生と大学受験 「学歴という名刺」

ここ最近、高校生の大学受験に向けた通塾検討の問合せ等をいただくようになりました。
とりわけ、近隣の高校に通っていて、国公立や早慶と言われる、いわゆる「難関大学」は受験をしないが、
「大学進学をしたい」という人が多いようです。

私は、高校生が大学受験をする場合、必ずしている話があります。

それは、「社会から受ける評価」「企業の採用の目線」といったことです。

誤解を恐れずに言えば、「学歴」ということで、採用する側がある程度フィルタリングしており、
そのフィルタリングをしなくてはならない企業側の理由等をお話しています。

もちろん、どんな進路に進んでも構わないと個人的には思っています。

しかし、個人の興味により選択して、大学進学をすることと、
その卒業後に、社会から受ける評価というのは必ずしも一致はしないという点に
注意が必要です。


● 新入社員だから何もできなくてもいい!?

今日の社会では、終身雇用や年功序列といった制度は、次第に薄れていっています。
その企業が生まれてからまだ時間が経っていなければ、その傾向は強くなります。
その裏返しで、新しい企業というのは、その会社が置かれている環境に対応するため、
どんどん変化していきます。
それに伴い、そこに適した人材というのは、スピーディーに受け入れていくようです。

そのような環境というのは、新入社員といえども、何か「積極性」や「自主性」、「確実性」
などが身に付いていなくては、会社に大きな迷惑をかける可能性があります。

会社規模が小さい場合、仮に新入社員であっても失敗し、会社に不利益を出してしまった場合、
それなりに会社にダメージを与えることとなります。

そのダメージは、いわゆる大手企業(大企業)で同じミスで不利益を出してしまった場合、
会社が受けるダメージの割合というのは、まったく違います。
大企業のメリットというのは、個人の力に対する依存度が、小さな企業よりも低いため、
失敗をまわりがカバーもしやすいこと。

仮に100万円の損失を出したとしても、売上10億円の100万円と売上1000万円の100万円では
比率は0.1%と、10%でその差は100倍です。

新入社員を採用するというのは、どんな大きさの企業でも、即戦力とは考えていません。
少なからず、会社が目指している方向性や、考え方を素直に吸収してもらって将来的に活躍することを
期待します。

つまり、「育てよう」という意識があります。

とはいえ、学生のように、レールがひかれていて、そのレールに乗っていればいいというスタンスならば、
それは大きな間違いです。

基本的に、育てようとは思っていますが、そこは厳しい社会です。
どんな立場であれば、「自主的」に動くことが求めれらます。

教育係となった先輩や上司も、それ以外に仕事が存在します。
新入社員に教えることだけが仕事ではないのです。

だからこそ、積極的に聞いてくれたり、自らわからなければ、確認してくれる新人を求めるのです。

仕事に関する実務はできなくても、「自主性」「積極性」「確実性」、これは学生の間に
身に付けることでしょう。

これは、「受験」といったことでも身に付けることはできます。

裏を返すと、これらのことができない人というのは、「学力」、結果が出にくい。

こう考えると、積極性や自主性のある人材を採用しようとするならば、

「高学歴者の中から採用した方が、積極性や自主性をもった人材を採用できる可能性は高い」といえます。

採用活動で、目の前の学生の全てがわかるわけではありません。
そういった目に見えない部分は、なかなか面接や採用プロセスで確認できないものです。

ですから、企業側からすれば、「学歴」等を1つの指標にしているわけです。

企業目線で説明をしましたが、仮にあなたが、学生側で「自分は自主性がある!」といくら思っていても、
そこをアピールし、相手に伝わらなければ、それはナイに等しいことです。

そこに「学歴」というひとつの名刺があると、相手もそういった目線で見る可能性があります。
(ここはゼッタイそうだということではありません)

人は先入観というのは、良かれ悪かれもっています。

仮に、あなたの目の前に、「東大出身です!」といった人があらわれたとしたら、どんなイメージを持ちますか?
「頭良さそう」 「何でもテキパキできそう」 「話が難しそう」 「マジメそう」などなど考えることはないでしょうか?

これが、学歴による「名刺」です。

大学で、やってみたいことがあるというのは、素晴らしいことです。
それを謳歌すべきでしょう。
ただし、そのやってみたいことが、社会からみて認知度が低ければ、自分が思ってもみなかった先入観を
もたれる可能性があります。

ですから、自分が行ってきたことをきちんと「言語化」、つまり説明できるということが大切になってきます。
これから、進路や目標を定める場合、純粋にやりたいことを選ぶもよし、特にやりたいことがなければ、
社会的な名刺を手にするという選択肢もありだと思います。

 

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