コラム
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人にモノを教えて、だいぶ経つようになりました。
手前味噌ではあるが、ここまで、100点ではないものの、 合格点を自分に出せるくらいの取り組みができていると思います。
ここ10年ほどで、自分自身もサラリーマンを経験し、社会と触れたことで、
「どんなことが、仕事をする上で必要になるか?」 「学生のうちにできること、身に付けるべきことは何か?」 ということが、
ぼんやりと見えるようになりました。
そして、今の仕事は学生・生徒に、勉強を教える仕事です。
(とはいえ、勉強を通じて、伝えたいことがあるかなと思うようになっていますが。)仕事をする上で大切なこと、言い換えれば「学生時代に身に付けることができること」 というのは、勉強を手段と考えたときに、
意外とあるのではないか?と思います。
「労力をかけずに結果を出す」という発想
【要点】
時間をかけずにテストの結果を出せる人の方が、優秀である。
面倒臭いとうのは、人間の本質であり、技術革新・進歩の原動力だから、軽んじてはいけない。
最も大切なことは、結果にこだわり、結果を出すために行った工夫と考え方である。基本的に仕事をする上で、短時間で成果を上げた方が、優秀と評価をされます。
しかし、なぜか学生時代は、「コツコツと勉強をしている子」の方が、「良い」と 評価されます。
私は、必ずしもそれは社会に出た時には、良いとは言えないと考えています。
理由は、同じ仕事をこなす(作業ベースやルーティーンワーク)では、 マジメに1時間かける人と、
休憩ばかりしているが、30分でできる人では、 間違いなく、30分でできる人の方が、生産性が高い人です。
雇う側からすれば、他の人よりも給料を高くしても良いと思える人です。
(休憩ばかりしている人でも、納期を守らなかったり、期限を守らない人は ここでは、対象にはしていません)生産性が高いということは、集中すれば、一気に処理できたり、仕事を進める術を 持っているということです。
こういった人は、他社へ転職はされたくないはずです。もちろん、仕事は作業だけではないことは承知をしています。
しかし、作業レベルが早い人は、間違いなく、日常の仕事を速く終えることができます。一方、小中学生・高校生の場合ではどうでしょうか? 私がこれまでに接してきた保護者の方は、
自身のお子さんへ求めることとしては、
「1位 テストで結果を出せるようにしてほしい」に次いで
「2位 日頃の学習習慣を身に付けさせてほしい」ということが来ます。私は、誤解を恐れずに言えば、学習習慣は、必ずしも身に付けなければならないという ことではないと考えています。
むしろ大切なことは、「結果を残す」ということだと思います。
私自身が、そのように親に育てられたということもあるのですが、 自分自身、
大人になって、実際に仕事をしてみて、マジメにコツコツというのは、 別に必ずしも大切ということではないな、と実感しました。時代背景と固定観念がこれを生んでいるのだと思います。
終身雇用が一般的であった一昔前と異なり、今では結果や成果が何かしら求められます。
物事が変化するスピードが速くなっています。 そうした中で、ゆっくりコツコツではダメなケースもたくさんあるのです。
「結果を残す」ということを考えたとき、結果の出し方には大きく2通りあります。
1.時間をかけて、今までの方法を続ける
2.今までの方法を変えて、工夫する単純に言えば、この2つだと思います。
仕事という面であれば、このうち、間違いなく「2」の新入社員の方が求められます。
しかし、学生のときには、1を求められる。私は、この業界全体、ひいては公教育を含めて、その考え方を見直す必要があると思います。
マジメだけが取り柄という人は、作業ベースの仕事しかできなくなってしまいます。
しかし、作業ベースの仕事は、次第に人ではなく、機械やロボット、人件費の安い外国へ移転されてしまうでしょう。そうなれば、できる仕事というのは、なくなってしまうのです。
女性の社会進出と共に「ワークライフバランス」が求められるようになっています。
これは、男女限らずに、仕事だけではなく、余暇も楽しみ、充実した人生を送るという 至極当たり前の発想です。
大人になるための準備期間である、学生。
その間に、本分である勉強というものを通じて、
短時間で終わらせるという発想と、
成果を出すためには、どうすればいいのか?という考える習慣。これこそ、長い時間をかけて、トライ&エラーを繰り返し、身に付けるべきことではないでしょうか?